ライズエイジア

2005.Aug

■2005年8月号:1/4

[2005年8月号]トシ上田の「母なる大地のこどもたち」2005日本公演旅日記

去る6月2日から6月12日、スモーキーマウンテン子ども舞踊団「母なる大地の子どもたち」の2年ぶり3度目となる日本公演が行われました。今回も愛知万博(愛・地球博)での公演、トークショーへの出演、関西公演など超過密スケジュールの来日となりました。
以下、舞踊団のコーディネーター・引率者として、こども達と寝食を共にしたトシ上田君の「旅日記」を掲載します。

■6月2日(木)◇来日!

ラモンオボサン民族舞踊団の稽古場を後にして、20名の団員とスタッフ5名は、JAL便にて中部国際空港へと向う。空港には、愛知万博公演の制作を行っているメッセージイベント事務局の皆さんが迎えにきてくれた。

到着後、バスにて蒲郡にあるホテルへ、チエックインしたのは22:30を回っていた。たくさんの荷物を運び込み、お風呂の入り方や朝食の仕方などオリエンテーション後、明日に備えて消灯。

■6月3日(金)◇万博見学。フィリピンパビリオン前でミニコンサート

朝7時、起床時間である。バイキングスタイルの朝食をとった後、衣装にアイロンをあてるグループと小道具の準備グループに分かれ作業に専念する。午後より愛知万博の見学に行く。

アフリカ共同館、南アフリカ館、エジプト館、ポーランド館、サウジアラビア館を見学。愛・地球広場にて「精霊たちの森林舞踏会」を観賞した後、フィリピン館へ。フィリピン館では館長さんからのリクエストもあって「フィリピンへお越しください」等の歌をパビリオン前で披露。たくさん集まったお客様に、「明日の公演に是非お越し下さい」としっかりPR。

夕食はフィリピン館のレストランが特別に作ってくれたフィリピン料理。初めて見る万博、そのスケールや沢山のお客さんに子ども達もスタッフも大興奮。舞踊団団長のベン神父は会場内に、設置された数種類に分別されたゴミ箱と分別してゴミを捨てる来場者の姿に感心していた。

ホテルに戻ってきたのは22:00であった。こども達は、大浴場の温泉が熱くて入れないと大弱り。せっかくの温泉なのにシャワーだけの子もたくさん・・・・・。ホテルにお願いしてぬるくしてもらう。

<フィリピンパビリオン前でのミニコンサート>

6月3日
フィリピンパビリオン前でのミニコンサートは急遽決まったスケジュール。歌い始めるとあっという間に人垣が出来、アンコールで日本語で「翼を下さい」を歌うと拍手喝采。

6月3日
博覧会会場見学を引率して頂いた博覧会協会のスタッフの方も、こども達の実力に大満足。こども達も万博をエンジョイしたようです。

■6月4日(土)◇安城南中学校でリハーサル。

6月5日愛・地球博公演に合唱で共演する、安城南中学校の生徒さんと午後より、安城市立安城南中学校にてリハーサルが行われた。中学校の生徒さん38人と挨拶を交わした後、共演する曲を練習した。演目は日本の曲「翼を下さい」とスモーキーマウンテンを歌ったフィリピンの曲「パライソ(楽園)」。フィリピンのこども達は「翼を下さい」を日本語で、中学校の生徒さん達は「パライソ」を英語で歌えるようそれぞれ訓練してきたのだ。

1時間30分という短い時間であったが有意義な練習が出来た。その後、ホテルに戻り夕食をとった後、仕込みとリハーサルをする為に、公演会場のEXPOホールへ行く。EXPOホールの大規模な音響設備、照明機材にびっくり。事前に舞踊団のテクニカルディレクターと日本側のスタッフが綿密な打ち合わせをしていたこともあって設営は順調に進んだ。こども達は、楽器の置き場所やどこに立つのかをマーキングし、簡単なリハーサルも行った。総ての作業を終えてホテルに戻ったのは午前2時であった。

でも舞台スタッフの人達は、マーキングに合わせて照明があたるように(照明フォーカシングというそうです)したり、音響のチェックをしたりと私達が帰った後も、徹夜で公演準備をするそうだ。今までにない「本格的な公演なんだ」と身が引き締まる思いがした。


■6月5日(日)◇いよいよ万博公演!

「母なる大地の子どもたち」公演に先だって、午前11時から瀬戸愛知県館「にぎわいの里」にて、僕のトークショーが開催された。対談のお相手は、愛知県の市民活動のリーダー、中部リサイクル運動市民の会代表・萩原喜之氏。スモーキーマウンテンの現状報告、子どもたちが創り上げたエココミュニティの意義と可能性について語った。萩原さんからは、スモーキーマウンテンという地域、そしてそこに住んでいる住民自らが地域の将来について考え行動していることの重要性が指摘された。

トークショー終了後大急ぎでEXPOホールへ向かう。公演前には、衣装を着た通しリハーサルや新聞社の取材などをこなさなければならない。今日だけは人気アイドルも顔負けのスケジュールだと汗を拭き吹き思う。会場に着くともうお客様が並んでいる。プロデューサーから「整理券は全部ハケたし、2回の公演とも満席だよ」と告げられる。「やった!」
舞台上では、衣装を付けた本番さながらのリハーサルを行い準備万端。

まずは1回目公演(16:30〜17:30)。子どもたちにとって、毎日稽古してきた成果を発表する時だ。オープニング前の緊張感。舞台袖でスタンバイしている子ども達も手を握り合ったり、足踏みしたり、それぞれのやり方で出番に備えている。

司会の挨拶。ベン神父のスモーキーマウンテンで収録した字幕入りビデオメッセージに続いて、いよいよオープニング!満席の客席から大きな拍手。はじけるように舞台に飛び出すこども達。あっと言う間にオープニングが終了。客席からの盛大な拍手!
「行ける!」僕は、鳴り響く拍手を聴きながら公演の成功を確信した。

そしてこども達も拍手に勢いづけられたのか、不安が飛び散り、自信に満ちた表情で舞台で踊り、次の演目に備えて舞台裏を駆け抜け、衣装替え、小道具の持ち替えを正確に行っている。フィリピンからきたテクニカルディレクターも演出家も、日本のスタッフとの連携が良く、すべてのきっかけや転換が気持ちよいスピードで進んでいく。ほんとにあっという間の1時間だった。鳴りやまない拍手。フィナーレにはベン神父と僕も舞台に出て拍手を受ける。「やってきて良かった」と実感した一瞬だった。
楽屋に戻ると、博覧会協会の皆さんやスタッフの皆さんが大きな拍手で迎えてくれた。